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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

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更新日:2013年9月27日

静岡県農林技術研究所

No.23/ 2013年10月/ 研究所ニュース

視点

森林を守り、育て、活かす技術開発を目指して  センター長 伊藤 副武

 当センターの沿革は、昭和32年に林業試験場として開場し、戦後荒廃した林野の緑化促進と林業経営の企業化を図るために、林木の品種改良をはじめ森林施業体系の確立などにより、静岡県の林業の発展に貢献してきました。特に、当時、静岡県では生長が優れた樹木を「精英樹」として選抜する事業に着手しており、試験場では選抜調査を担当していました。県内の森林に植栽されている苗木は、この精英樹から採取した「さし穂」を基に造成した「採種園」からの種子で育苗されたものです。
 現在、県内の人工林は一斉に主伐期を迎え、この森林資源の循環利用が求められており、当センターでは「森林を守り、育て、活かす」ための技術開発に重点化しているところです。
 森林資源の循環利用を推進するには、伐採跡地の再造林並びに育林のコストを下げることが大きな課題となっており、本年度から29年度までの5カ年間で、①成長が早く、強度があり、無花粉を併せ持つ苗木を精英樹の第二世代間で交配する品種開発、②苗木生産から植林や保育の各段階で経費を削減できるコンテナ苗木による次世代型の省力造林システムの構築技術の開発に取り組んでいます。
 今後、県内には合板工場をはじめとする大口需要が見込まれることから、豊富な県内森林資源の利用を確実なものとするためには、「需要と供給の一体的な創造」を目指す技術開発が緊急に求められています。
 そのために、木材価格が国際化する中で、住宅用無垢構造材を主に供給していた「プロダクトアウト」から様々な用途に供給する「マーケットイン」に転換し、原木流通を山土場から直送で、“定時、定量、定規格、定価格”に効率的に供給するためのITを活用した技術開発と、“狂う、腐る、燃える”などの弱点を改善した、外構材や内装材・家具材など県産材の木製品の開発が必要と考えています。
 この「需要と供給の一体的な創造」が達成されたときに、都市には県産材を使用した建物が多く建築され、林業をはじめ木材産業や家具産業が成長産業となり、県内に“森林の都”が実現できると確信します。

トピックス

商工業者と農林技術研究所との懇話会】 ~農商工連携による6次産業化の可能性を探る~

 農林技術研究所では、農林業ビジネスに関心のある商工業者の方に、農林技術研究所の研究成果をご覧いただき、6次産業化を目指した共同研究や商品開発アイデアについて研究所の職員と意見交換をします。
1 日  時  平成25年10月3日(木) 13:30~16:30
2 場  所  静岡県農林技術研究所、農林大学校(磐田市富丘678の1)
3 内  容  【第1部】 全体会(13:30~15:00)
(1)農林技術研究所の研究課題の紹介
(2)共同研究等で活用できる事業の紹介
【第2部】    (15:00~16:30)
(1)技術相談会 
(2)研究所ミニツアー
4 参 加 者   商工業者 100人(先着順) 
5 参 加 費   無料

研究情報

辛みが弱い ラッキョウとネギの種間雑種「NR静育1号」

画像:NR静育1号

NR静育1号

 浜松地方特産の生食用ラッキョウであるエシャレットは、夏期の休眠により地上部の葉が枯れ商品価値が低下するため、当研究所では子房培養の技術を用いて雑種個体を作出し、選抜を行ってきました。雑種個体を作出した当時はエシャレットに極めて近い形質が求められていたため、選抜を一時中断しました。しかし、数年前から産地において新たな商品が求められるようになり、育成した雑種系統の評価も高まり、選抜を再開しました。その結果、優良系統が得られたので、平成24年に「NR静育1号」と命名し品種登録しました。
 「NR静育1号」は、平成7年にラッキョウ「ラクダ」にネギ「浅黄系九条」の花粉を交配し、子房培養によって得られた雑種です。交配から品種登録まで、実に17年の歳月が掛かっています。
 その特性は、「ラクダ」と比較すると、葉の幅が広く、分球が多く、外皮の一部にアントシアニンの着色があります。最も優れた特徴は、辛みが弱いため、老若男女を問わず誰でも食べやすいことです。また、ネギの耐暑性を受け継ぎ、葉の枯れ上がりが遅く、緑色も鮮やかなため、球の部分だけでなく葉も利用可能です。
 現在、JA静岡経済連と許諾契約を結び、JAとぴあ浜松営農センターとともに、本品種の特性を活かす栽培方法、出荷形態、利用方法等について検討を重ねています。ラッキョウとネギの特徴をあわせ持つので、市場、消費者の反応等、今後の展開が楽しみな新品種です。     (育種科 上席研究員 河田智明)

『賀茂十一野菜』の現地導入について(新成長戦略研究)

画像:収量が多く頑強に育つツルナ

収量が多く頑強に育つツルナ

 伊豆農業研究センターでは、地域に自生している食用可能な植物から11種類を「賀茂十一野菜」に選定し、新しい野菜として栽培・利用するための研究を行っています。
 そのうち、オカヒジキ、ツルナ、ハマダイコンおよびノビルの4品目については、種子や鱗茎を植え付けし、3ヶ月程度で収穫が可能であり栽培が容易であることが分かりました。これらの品目は、ほ場の日照条件がよければ少ない肥料でも容易に生育し、初心者でも手軽に導入できる点が大きなメリットです。
 また、他地域で食味良好な高級食材として扱われているモミジガサは、収穫まで年数がかかることから、栽培期間の短縮を図るため、挿し芽による育苗方法を開発しました。現地では、直売所に設置された‘「賀茂十一野菜」コーナー’にて販売されるようになり、旬の味覚として利用されています。
 また、伊豆半島を訪れる観光客に向けた新たなおもてなしの商材として、旅館や食堂などで利用が始まっています。これからの時期は、秋時期には種・定植するノビルおよびハマダイコンを始めとして、周年で収穫ができるツルナやボタンボウフウの植栽を農林事務所と連携し、推進していきます。そして、新たな利用方法についても検討をしていきます。                     (伊豆農業研究センター栽培育種科 主任研究員 山際 豊)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466