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更新日:2013年12月2日

静岡県農林技術研究所

No.24/ 2013年12月/ 研究所ニュース

視点

伊豆の観光と園芸産品    伊豆農業研究センター長 佐藤 展之

画像:

ハマダイコンのさや

 にっぽんの温泉100選(観光経済新聞社)の上位には、草津、登別、湯布院などが選ばれ、静岡県の最上位は、22位の修善寺温泉でした。
 伊豆半島には数多くの温泉があり、100選中に7ヶ所が選出されていますが、首都圏から近いという条件にもかかわらず、最上位が22位という結果は多少残念です。伊豆半島の主な産業である観光産業をさらに活性化するためには、「癒される」・「感動する」・「食べる」・「楽しむ」・「遊ぶ」など総合的な取組が必要となります。
 当センターでは、観光産業の活性化につながる園芸産品の研究開発を行っており、伊豆ならではの桜の新たな名所作りや、観光客向けの桜の切り枝生産、伊豆に自生するキイチゴを栽培し、加工したスイーツの開発、島バナナやパパイヤなど亜熱帯性果実の栽培などに取り組んでいます。
 中でも、伊豆に自生する植物を、新たに「賀茂十一野菜」と名づけ、特産品の育成を図り、すでにレストランなどで地元食材として使用されるようになってきました。「賀茂十一野菜」の一つであるハマダイコンのさやは、生で食べることができ、不思議な味がする食材として注目されています。
 「伊豆の温泉による癒し」、「満開のサクラの感動」、「伊豆でしか味わえない食材のおいしさ」など、地域一体となって取り組むことが、今後の伊豆地域の観光産業の活性化に寄与するものと考え研究開発を進めています。

トピックス

品種登録(マーガレット)

画像:

 伊豆農業研究センターで育成した、鉢物用マーガレット4品種を品種登録出願し、平成25年7月5日に品種登録出願が公表されました。この秋以降、産地から新品種の出荷が始まりました。

研究情報

イチゴの重要病害の早期診断法の開発

画像:イチゴ炭疽病の病徴

イチゴ炭疽病の病徴

 イチゴに発生する炭疽病、萎黄病、疫病は、発病すると株を枯死させ、生産現場で大きな問題になっている病害です。これらの病害は感染後も一定期間は病徴が現れず、外観からは健全株と区別ができない潜在感染をすることから、この潜在感染株を本圃に定植してしまうと、定植後に発病して甚大な被害が発生します。
これまでは、この潜在感染株の診断に炭疽病では2週間、萎黄病では30日以上かかり、診断開始後にも感染する可能性が高いことから、検査が行われていませんでした。
 今回開発した診断法は、炭疽病、萎黄病は3日、疫病は1日で診断できるようになりました。
 現地での発病を減少させるためには、生産者に渡す親株以前の段階から検査が重要であり、昨年度から研究所内の原原苗とJA静岡経済連が育成する原苗について、出荷前に炭疽病検査を行うことで安全性を確認しています(H25実績:原原苗209株、原苗450株検査)。
 なお、この技術は静岡県、千葉県他6機関と農林水産省新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業「イチゴ健全種苗生産のための病害検査プログラムの構築(H21-23)」において共同開発しました。      (植物保護科 上席研究員 鈴木幹彦)

温州みかんの浮き皮発生と気象要因の関係

画像:浮き皮

浮き皮

 静岡県の特産である温州みかんは、近年、皮と果肉が離れてしまう「浮き皮」(写真)が多く発生し、貯蔵中の腐りや食味の低下等が問題となっています。
 果樹研究センターでは、浮き皮の発生を助長する気象要因を明らかにし、その発生を早い時点から予測することを目標に、気候変動対策の課題に取り組んでいます。
浮き皮の程度を表す指標として、果実比重の値を用い、アメダス気象観測データとの関係を調べました。浮き皮が進むと果実と皮の間の隙間が大きくなり果実比重の値は小さくなります。
 これまでにも、秋に高温・多雨の年には浮き皮発生が多いことが経験的に知られていましたが、新たに得られた知見としては、発芽前の2月中旬や開花前の4月中旬における気温の上昇や、開花期である5月の低日照が浮き皮の発生を助長することがわかりました。
 次に、アメダスの旬別気象データから、収穫時期における果実比重の予測式を作成しました。この予測式では、5月までの気象データを用い、収穫時の果実比重を予測することが可能となります。
 今年産のみかんでは、12月1日時点で、軽度の浮き皮が発生するとの予想を立てています。一方、浮き皮を軽減するための技術として9月のジベレリンとプロヒドロジャスモンの混用散布があり、今後は、浮き皮発生の予測精度をさらに高め、予測に基づいた対策技術の構築を目指し研究を進めていきます。                   (果樹研究センター 栽培育種科 高橋哲也)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466