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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

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更新日:2014年8月1日

静岡県農林技術研究所

No.28/ 2014年8月/ 研究所ニュース

視点

環境に負荷をかけない農業の実現に向けた取組 研究統括監 加藤公彦

画像:

赤色光のメロンへの照射

静岡県では、地球環境の保全や持続型農業の実現のため、環境に負荷をかけない農業、すなわち環境保全型農業を推進しています。環境保全型農業を進めるポイントは、病害虫による作物被害を防ぐために使用する農薬を減らすこと、環境に負荷をかけないように、植物の栄養となる肥料を施すことにあります。
農林技術研究所では、これを実現するための研究開発を行っており、環境保全型農業の推進に貢献しています。
  病害虫防除用の農薬を削減するため、農林技術研究所では、光を利用した害虫の防除技術の開発に取り組んでいます。写真に示したように、赤色光(波長630~660nm)をメロンに昼夜、連続的に照射することにより、メロンの害虫であるミナミキイロアザミウマの増殖を抑えることに成功しております。このときの光の強さは、昼間にわずかに赤く見える程度で十分です。今後、農家が使用できる技術として完成させます。これに加え。紫外線(波長310nm)を照射することにより、イチゴのハダニとうどんこ病を防除する研究にも取り組みます。
  環境への負荷を減らす施肥技術として、堆肥中や土壌に残存している肥料成分を有効利用するための技術開発を行っております。さらに、施肥量を減らす技術として、根の近くのみに肥料を施す局所施肥についても、施肥機の開発とともに取り組んでおります。

トピックス

行事案内  静岡県森林・林業研究センター振興協議会講演会

テーマ「木質バイオマスの利用に向けて~C・D材の供給拡大に向けて取り組むべき課題~」
1 期  日  平成26年8月8日(金) 13:30~15:50
2 場  所  静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター 大会議室
(浜松市浜北区根堅2542-8)
3 募集人数  80人(申し込み不要)
4 参 加 費   無料

研究情報

「静岡の茶草場農法」の世界農業遺産認定と茶草の肥料成分特性

画像:炭素窒素比

炭素窒素比

「茶草場農法」をご存じですか?「茶草場農法」とは、茶園周辺にある草刈り場(茶草場)から草木類などを定期的に刈りとり茶園に施用する伝統的生産体系で、静岡県の茶農家の間では、広く行われていました。
 この茶草場農法が、平成25年5月に「静岡の茶草場農法」として、世界農業遺産注)に認定されました。キキョウなどの絶滅危惧種の自生など茶草場での生物多様性の保全と、茶草を茶園に投入するという農業生産のための努力とが両立していることが評価され、認定となりました。
  しかし、茶草施用による茶園に対する効果は明らかにされていなかったため、茶業研究センターでは、茶草施用茶園の調査を行っています。今回は、茶草の肥料成分特性について報告します。
  静岡県西部地区を中心とした6地区18点の茶草の肥料成分を分析しました。その結果、有機物分解の目安となるC/N比(炭素窒素比)は、最大107、最小32、平均62で、ススキ、稲わらの数値と類似しており、茶草はススキや稲わらと同等の有機物特性を持つと推察されました。環境の意識が高まっている昨今、「茶草場農法」ブランドを今後もバックアップします。 (茶業研究センター 生産環境科 上席研究員 小杉 徹)

鳥獣による被害情報収集システムの開発

画像:メッシュ上の被害状況

メッシュ上の被害状況

鳥獣による農作物被害の情報は、農林水産省の調査要領に基づき、市町村が農業者などから集約したものを都道府県経由で農林水産省に提出し、最終的に全国の被害状況として公表されています。
市町村では、被害情報の収集に農家アンケートや有害捕獲申請書の被害情報、農業共済の被害情報などを利用していますが、農水省の要領をすべての記入者に理解してもらうことは難しく、精度の高い集計を行うことは市町村担当の多大な負担になっています。
 また、静岡県では被害情報を市町単位でしか把握しておらず、被害の広がりなどについて客観的な情報がありません。今後の被害対策の推進のためにも、面的な被害情報の収集が求められています。
 そこで、農林水産省に提出する様式での被害集計を容易に行い、かつ狩猟データで用いられている5×5kmメッシュ上に被害情報を表示できる集計システムをMicrosoft Excel○Rのマクロ機能を用いて開発しました。本システムでは、被害程度を農業者が答えやすいように「被害面積(a)と程度(%)」もしくは「被害量(Kg)」と単純化し、作物ごとの単収や単価を設定するのみで農水省の調査要領に基づく集計を行うことができます。
また、場所の情報を合わせて入力することで、メッシュごとの被害情報を表示することが可能となっています。本システムは、平成25年度被害集計から一部市町で運用を開始しており、今後は、全県での普及を目指しています。 (森林・林業研究センター 森林育成科 主任研究員 片井祐介)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466