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ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

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更新日:2016年12月5日

静岡県農林技術研究所

No.42/ 2016年12月/ 研究所ニュース

視点

還暦を迎えるにあたり  技監 伏見 裕之 

画像:

 当センターは、昭和32(1957)年、天竜林業地帯の玄関口である当地(浜松市浜北区)に林業試験場として開場し、今年度末で満年60年となります。この間、昭和63(1988)年に林業技術センターとして施設を一新し、平成19(2007)年からは農林技術研究所森林・林業研究センターと改称し、現在に至ります。
 設立当時は、戦後の荒廃から高度成長へ向かう時期であり、旺盛な木材需要にこたえるため、当センターでは、成長が優れたスギやヒノキを「精英樹」として選抜し、採取園の造成や優良種苗の生産の研究に取り組んできました。この成果は、現在、新成長戦略研究で取り組んでいる、少花粉や強度などの要求にも応える「静岡型エリートツリー」の開発につながっています。
 また、先人の方々が戦後、全国に先駆け植林し育ててきた人工林は、木材として利用できる林齢に達しており、この木材資源を活かすため、製材、合板、集成材等の研究に取り組んできました。
 近年では、ニホンジカなど野生動物対策も重要課題となっており、プロジェクト研究や新成長戦略研究で重点的に取り組み、その成果について、現場への普及に努めているところです。
 これら森林・林業に関わる研究は、長期間を要する場合がほとんどですが、少しでも早く研究成果を県民の皆様にお伝えできますよう、研究員一同、励んでいく所存です。このことにより、森林を守り、育て、活かす「森林共生」の取り組みが進み、美しく恵み豊かで魅力あふれるふじのくに「森林の都しずおか」が創造され、80年後、100年後の未来に引き継がれていくことを願っております。

トピックス

品種登録情報

画像:もち米新品種「葵美人」

もち米新品種「葵美人」

 もち米新品種「葵美人」が平成28年11月25日付けで出願公表されました。また、ラッキョウとネギの種間雑種「NR静育1号」が、平成28年11月17日付けで品種登録されました。

研究情報

磐田市特産の白ネギを活かした商品開発研究

画像:いわたねぎ巻き餃子

いわたねぎ巻き餃子

 超高齢社会を迎え、介護現場からは地元野菜を用いたやわらかい加工食品が求められ、野菜の生産現場からは市場出荷されずに廃棄される未利用部位や規格外の野菜の有効活用が求められています。このような背景を受け、当所では、磐田市と市内の農業生産法人「遠州知名美屋」と連携し、“磐田市特産の白ネギの未利用部位である硬い外皮”をやわらかく加工することで、今後需要拡大が見込める高齢者市場を狙った新しい食品開発に取り組みました。
 研究では、40~95℃の範囲で温度を一定にして蒸すことができる調理器具の低温スチーマーを活用して少し噛む力が弱くなった高齢者が食べやすいやわらかさで、かつ加工による糖と辛味成分の損失を抑える低温スチーム処理の温度・時間条件の検討を行いました。その結果、低温スチーム90℃・5分処理が、最適な条件であることを明らかにし、連携する法人に提案いたしました。
 現在、上述のスチーム処理技術は、白ネギの一次加工で活かされ、加工した白ネギを餃子に巻いた商品の製造で活用されています(図参照)。今後は、高齢者向けの商品としての展開も強く期待しております。
(品質・商品開発科 主任研究員 豊泉友康)

温州萎縮病に強い耐病性台木の選抜

画像:選抜中の耐病性台木

選抜中の耐病性台木

 温州ミカンに大きな被害をもたらすウイルス病として「温州萎縮病」があります。感染した樹は土壌を介して周辺の樹へ病気を広げてしまいます。対策をとらないと最終的には園地全体が汚染され、ミカンの栽培が継続できなくなります。対策として感染樹を伐根した後、クロルピクリンによる土壌消毒が有効ですが、その作業は重労働のため、ほとんどの園地で実施が困難な状況にあります。
 果樹研究センターでは、ウイルス汚染土壌でも温州ミカンの栽培を継続できる耐病性台木の選抜に取り組んでいます。通常台木として用いられるカラタチは本病の弱いため、これまでにナツダイダイとカラタチの交雑個体の中から、温州萎縮病に耐病性の個体を選抜してきました。しかし、耐病性があっても樹勢が強いとミカンの台木には適さないため、これらの中からわい性(樹が大きくなりすぎず、コンパクトになる)の性質を持つ個体を選抜する必要があります。選抜には、通常、長い年月を要しますが、当センターで有効性を確認した植物ホルモン濃度の測定による選抜法では、従来の方法よりも短期間で選抜が可能となります。今後も引き続き、汚染された園地でも活用できる台木の開発研究に取り組んでいきます。   (果樹研究センター 生産環境科 上席研究員 加藤光弘)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466