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更新日:平成29年8月22日

静岡県農林技術研究所

No.46/ 平成29年8月/ 研究所ニュース

視点

エリートツリー60周年のあゆみ 森林・林業研究センター長 白鳥隆司

 当センターは、昭和32年4月に静岡県林業試験場として、天竜林業地域の玄関口である浜松市浜北区根堅に創設されました。当時は、高度経済成長の始まった時期で、成長の良いスギ・ヒノキ品種を他県に先駆けて改良する、という「良い苗木」への熱意が、林業試験場創設の原動力でした。
 木材生産量の増大を目指し、精英樹の育種・育苗、病害虫防除、林地肥培、適地適木調査、高成長短伐期の内外樹種の現地適応試験を進めたことにより、スギ51本、ヒノキ27本、アカマツ14本、クロマツ11本の合計103本が精英樹として選抜され、全県的に精英樹の実生・挿し木造林が進められました。
 その後、植栽された森林の育成管理や木材利用の技術開発を中心とした、新たなニーズに応える研究に中心は移っていきましたが、その一方で精英樹の交配などによるさらなる品種改良も継続してきました。
 特に、創設時から長期にわたって取り組んできた林木育種の分野において、林野庁が定めた成長に特に優れた基準を満たすスギ6個体が、他県に先駆けて「特定母樹」に指定されました。これからは、材質や着花性の早期評価技術の活用により、さらに「良い苗木」の素材となる高強度と少・無花粉などの特性も備えた「エリートツリー」個体を、続々と選抜していく計画です。
 初期成長の良い「エリートツリー」に依れば、下刈り回数の低減、シカなどによる食害リスク期間の短縮などにより再造林経費を低下させ、伐期も大幅に短縮されますが、保育と収穫については、未だ不明な点もあり、今後、「新施業体系」の確立が必要です。また、林分の均質な高成長を期待するためには、挿し木造林に再び取り組む必要もあります。
 県下の森林は収穫期を迎えていますが、林業試験場とともに始まった林木育種の成果も、長い年月を経てついに活用の時期を迎えています。これからもさらに改良を続け、「エリートツリー」の提供とその活かし方を研究していきます。

研究情報

メンテナンスフリー切り花の病院での試験展示

 現在、衛生上の懸念や花の世話をする労力の問題から、全国的に病院で生花の持込みが禁止される傾向にあります。一方で、生花の持つ癒し効果が科学的に認められ、花壇の整備などを進めている病院もあります。こうした中で研究所では、するが花き卸売市場とともに、現在生花の持込みを禁止している静岡市立静岡病院において、「メンテナンスフリー切り花」の試験的な展示を行い、病院に再び花を呼び戻すことを目的とした三者の共同研究に取り組んでいます。
 「メンテナンスフリー切り花」は、抗菌剤や花の栄養分などが添加された給水資材に生けられているため、汚れにくく水換え等をすることなく、長く花を楽しむことができます。更に、ゼリー状の給水資材であるため、容器を倒しても水がこぼれにくい衛生的な商品です。
 今後、試験展示を続けていく中で、病院ならではの課題を洗い出し、「メンテナンスフリー切り花」が病院に再び花をもたらす存在となるよう検討を重ねていきます。 
(農林技術研究所 花き科 研究員 高橋由美香)

収量と施肥効率が向上する新しい茶の液肥管理技術

 茶の栽培では固形肥料をうね間に施肥する方法が一般的です。しかし、施肥する場所が根から離れており、1回の施肥量も多いため肥料が十分吸収されず、肥料成分の流亡も少なくありません。
 そこで、当研究センターでは、根の肥料吸収効率を高める一方、肥料成分の流亡を少なくする方法を検討しました。肥料の吸収効率を向上させるために、根の多い樹冠下部分にかん水チューブを設置して液肥を施用します。液肥1回の施肥量は少なくすることにより、根を施肥した部分に集中させ、施肥効率を高めます。
 その結果、肥料の根圏外への流亡が少なくなります。一方、1回の施肥量は少ないため、施肥回数を多くして年間の基準施肥量を維持します。試験では、液肥の窒素濃度は100ppm、1回当たりの水量は3.3mm/10a、年間で120回施肥しました。この方法では、固形肥料に比べ、年間で1割収量が増加しました。
 また、一番茶前の液肥濃度を高める(窒素濃度は100ppm→200ppm)ことにより濃度を一定とした場合より収量が増加することもわかりました。この方法では、地下への溶脱水に含まれる窒素濃度も環境基準を上回ることはありませんでした。まさに、効率的で環境にやさしい施肥技術です。(茶業研究センター 生産環境科 科長 小杉由紀夫)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466