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更新日:平成30年4月3日

静岡県農林技術研究所

No.50/ 平成30年4月/ 研究所ニュース

視点

地域に密着した研究機関を目指して   伊豆農業研究センター長 稲葉 善太郎

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伊豆農業研究センターは、農林技術研究所で唯一地域の名前を冠する研究機関として、特産花き・果樹に加え、世界農業遺産に認定されたワサビの研究に取組んでいます。
花き類の主要取組み品目では、カーネーション、マーガレット、サクラを取り上げています。中でも、伊豆地域全体で期待されているのがサクラの研究です。伊豆農業研究センターのサクラ研究は、農業者だけでなく行政や観光関係組織とも密接に連携して成果を上げていることから、平成23年には園芸功労賞(園芸学会)を授賞するなど、全国的にも注目されています。
現在は、‘カワヅザクラ’の休眠特性の解明や切り枝生産技術の開発を進め、開花予測情報の提供をおこなうとともに、延べ100万人以上が訪れる「河津桜まつり」、「みなみの桜と菜の花まつり」のさらなる集客力向上を目指しています。
果樹では、ヒュウガナツの少核果生産を可能にする新品種‘古山ニューサマー’と、河津桜の咲く時期に販売できるヒュウガナツ系品種‘はるひ’の栽培技術開発を重点的に取組み、ヒュウガナツとの組合わせによる長期販売体制を構築して、伊豆地域特産柑橘の販売力強化を推進していきます。
ワサビでは、世界農業遺産登録を受け、本県産地のさらなる生産力強化と永続的な農業生産が期待されています。これまでのワサビ研究では採種技術、育苗技術、温度反応、日長反応など、基礎的なデータの積み上げ事例が少なく、ワサビ田ごとの生産力、品質差に起因する収益性の違いが十分に解明されてきませんでした。現在、わさび科では、産地で最も大きな問題となっている種苗の供給不足を解決するため、種子の大量採種技術の開発や発芽、育苗条件の解明を進め、種苗の大量増殖体系の確立を目指しています。さらに、この技術を活用したブランド力強化のため、‘伊づま’に続く高品質で環境適応性の高い種子繁殖性品種の育成を進めて行く予定です。
今後も、伊豆農業研究センターでは、地域に密着した試験研究による産業振興に努めてまいります。

研究情報

チンゲンサイでリン酸とカリの減肥基準を策定

画像:チンゲンサイ栽培の様子

チンゲンサイ栽培の様子

県内の施設土壌では、これまでの施肥によりリン酸とカリが蓄積しており、生理障害の発生も心配されています。そこで、リン酸とカリの減肥基準を策定しました。
減肥基準では栽培前に土壌分析を行い、その量に応じて、施肥量を減らします。チンゲンサイの標準施肥量は窒素10kg/10a、リン酸とカリは6kg/10aです。土壌中の可給態リン酸が15mg/100g以下では施肥リン酸を50%又は100%減らすと(窒素とカリは標準量)、チンゲンサイの収量は低下しましたが、120mg/100g以上ではリン酸無施肥でも収量は低下しませんでした。また、1作当たりの可給態リン酸の減少量はリン酸無施肥で7mg/100g、50%減肥で5 mg/100gでした。
以上の試験結果と静岡県の可給態リン酸の改善基準値20~80 mg/100gから安全性を考慮して、次のように減肥基準を設定しました。土壌中の可給態リン酸が80mg/100g未満では減肥なし(6kg/10a施用)、80~120mg/100gでは50%減らして3kg/10a施用、120mg/100g以上ではリン酸無施肥とします。カリも同様に土壌中含量に応じて減らします。これにより、リン酸とカリの過剰蓄積を防ぎ、肥料費を削減できます。
(農林技術研究所 土壌環境科 主任 若澤秀幸)

世界初!!エチレンを使った新たな果実の皮剥き技術を開発

画像:エチレン処理後に手で湯剥きしたカキ

エチレン処理後に手で湯剥きしたカキ

「湯剥き」は果実を熱水に短時間浸漬し、直ちに冷却し皮を剥く方法で、トマト等でよく行われています。一般家庭でもお馴染みの調理法ですが、「湯剥き」では、カキやニホンナシの皮を簡単に剥くことはできませんでした。
果樹研究センターでは、果実の簡易剥皮法を研究する中で、植物ホルモンの一つであるエチレンに皮を剥き易くする作用があることを世界で初めて発見しました。これまで、できなかったカキやニホンナシでもエチレン処理後に熱処理を加えることで、刃物を使わずミカンのように手で容易に皮を剥くことができました。
エチレンに対して敏感に反応するトマトをはじめとしたクライマクテリック型果物での適応が期待できます。エチレンは自然界にも存在するものなので、食品にも安全に使用することができます。
また、刃物を使わないので、皮剥き作業中に手を傷つけしまう可能性もありません。それだけではなく、バナナやミカン以外の果物も、いつでも簡単に皮を剥ける「ファストフルーツ」として新商品に繋がっていく可能性もあります。開発した技術は特許出願中です。今後は食品開発企業や一次加工施設等に普及を図りながら、新商品開発に繋げていきます。  
(果樹研究センター 落葉果樹科 上席研究員 村上 覚)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466