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更新日:平成30年10月1日

静岡県農林技術研究所

No.53/ 平成30年10月/ 研究所ニュース

視点

研究開発とメディアの力 研究調整監 小林 康志

画像:

エチレン湯剥きした各種果実

本果樹研究センターは、組織改編により今年度から科名を変更し、果樹生産技術科、果樹環境適応技術科、果樹加工技術科の3科体制で研究開発に取り組んでいます。
近年の研究成果としては、日本初のカキのわい性台木「静カ台1、2号」や高糖系中晩生カンキツ品種「静姫」、良食味キウイルーツ品種「静岡ゴールド」等の育成、年1回施肥法の開発、エチレンを利用した果実の簡易剥皮法(通称:エチレン湯剥き)の開発、無人航空機(ドローン)を活用したカンキツの生育診断技術の開発等が挙げられます。
このうち、「エチレン湯剥き」については、日本農業新聞の電話取材を受けて2018年4月21日に記事が掲載されるとともに、この記事がインターネットのYahooニュースにアップされたことをきっかけに、全国区の新聞各者やラジオ局、テレビ局、県内外の民間業者等からの問い合わせが殺到するようになり、担当研究員は、8月上旬まで各社取材やテレビ番組の収録・生出演等に忙しい日々を過ごしました。
また、この間に県内の加工業者と、当技術を活用した新商品開発に関する共同研究契約を締結することもできました。お陰様で、このように研究成果としての新技術開発が短期間のうちに全国区のホットニュースとなり、静岡県農林技術研究所果樹研究センターが多くの人に認知されたのではないかと思われます。まさに「マスメディアの力、偉大なり」を実感したところです。
今回のことは情報化社会の進展がもたらした「時代の産物」であり、これまで研究成果のPRに苦労した経過もあったことを考慮し、今後は情報を上手にマスメディアへ伝えることに努め、研究成果のPR及び普及につなげて行きたいと考えています。
果樹研究センターは、現在の地(静岡市清水区茂畑)に移転してきてから、この10月で丸3年が経過しましたが、研究対象の植栽樹はまだ幼木であり、試験によってはJA静岡経済連や県下JAの協力を得て生産者のほ場で調査研究を実施させていただいている現状があります。今後も、関係する機関や生産者と連携を密にしながら、時代やニーズに対応した静岡県果樹農業の生産振興に寄与できる研究開発に取り組んでまいりますので、関係者の御理解と御協力をよろしくお願いいたします。

研究情報

CO2施用方法がイチゴの収量や果実品質に及ぼす影響

画像:局所施用システム

局所施用システム

イチゴでもCO2濃度を高めて増収を図る技術が広がっています。日照条件の良い静岡県では日の出後短時間で窓が開くため、午前中の短時間に高濃度のCO2を与える早朝施用(灯油燃焼式)で光合成促進を図るのがこれまで主流でした。これに対し今回は、イチゴ群落内のCO2濃度低下防止を目的としてCO2局所施用を試みました。所内の試験では、早朝施用では群落内と株の上で同程度のCO2濃度になりましたが、日中のCO2局所施用(条間にダクトを配し、小型ファンで生ガスを送風)では群落内のCO2濃度を株の上よりも高く維持できました。日中局所施用のCO2使用量は、窓が開いたにもかかわらず、早朝施用よりも約40%少なくなり、CO2局所施用の効率の高さが伺えました。
CO2施用によりイチゴの収量は増加しました。摘果、無摘果に関わらず収穫果数の増加がみられ、厳寒期の摘果栽培では1果重が増加する効果もありました。また、CO2施用により厳寒期の果実糖度が上昇し、特に局所施用では3月まで高い糖度を維持することができました。酸度及び果実硬度についてはCO2施用方法による差は見られませんでした。
このように群落内へのCO2局所施用は、収量増や果実品質向上に効果がありますが、日中のCO2施用は換気によるロスが懸念されます。実用的には自動換気装置と連動した濃度制御などでCO2のロスを最小限に抑える工夫が重要になります。
(農林技術研究所 野菜生産技術科 上席研究員 河田智明)

世界農業遺産「静岡水わさびの伝統栽培」を研究面で支える

画像:静岡県で育成された 種子繁殖性ワサビ品種‘伊(い)づま

静岡県で育成された 種子繁殖性ワサビ品種‘伊(い)づま

 静岡県知事を会長とする「静岡わさび農業遺産推進協議会」が提出した「静岡水わさびの伝統栽培」は、平成30年3月9日に国連食糧農業機関(FAO)により、世界農業遺産に認定されました。審査の際は、①日本固有種である「ワサビ」の栽培が始まった地域としての歴史的背景、②畳(たたみ)石式(いししき)わさび田に代表される独自の栽培方式、③山間地の産業としての重要性、④美しい景観、⑤多様な遺伝資源を含む生物多様性を維持する栽培環境、の点を高く評価していただきました。伊豆農業研究センターで行っている試験研究は、農業遺産申請時に提出したアクションプラン(保全計画)の水ワサビ生産安定に深く関わっています。
現在、定植用苗不足対策、病害虫防除技術開発、新品種育成、簡易な耐候性施設を利用した生育促進・安定生産技術の確立、ワサビの辛味成分分析などについて、静岡県山葵組合連合会、県内ワサビ産地やJAと連携し研究を行っています。近年は、大学や他の研究機関とも協力することで、研究の更なる広がりを見せています。今後も伝統栽培を維持しながら、様々なアプローチを試みることで、謎が多く魅力的な「静岡水わさびの伝統栽培」生産安定のバックアップをしていきます。
(伊豆農業研究センター わさび生産技術科 上席研究員 馬場富二夫)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466