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更新日:平成23年4月1日
地域にはさまざまな資源があります。
農地周辺の地域資源を効果的に活用することで営農環境を向上させることができます。また、農地の環境貢献の価値を発揮することによって、地域環境を向上させることもできます。このような、双方向の効果が期待できるのです。
近年、農業経営の大規模化や地域協議会の活動により「ほ場管理から地域の管理」への管理の広域化による地域資源の一体的な管理が実現できる環境が整いつつあります。
そこで、我々農村植生管理プロジェクトチームでは、豊かな農村の自然を保全・活用した営農技術や地域デザインの手法を開発し、地域の農業力をアップさせる方法を提案し、営農活動を中心とした機能的で魅力的な地域空間の創出を目指します。
3つの方向から研究を進めています。
これまでの害虫防除は、ほ場の中で行ってきました。しかし、害虫はほ場の外で増殖するものも多いことから、周辺の管理によって害虫を抑制することができれば、ほ場内での防除作業は軽減されます。特に、イネの害虫である斑点米カメムシは、水田周辺の植生を移動しながら最終的に水田に侵入しますので、周辺の管理は効果的です。
そこで、斑点米カメムシの餌となる植物を特定し、餌植物を的確に管理することで斑点米カメムシを抑制する技術開発に取り組みます。
今や遊休農地は、地域の構成要素として無視できない存在です。遊休農地は害虫や雑草の発生源として問題視されています。
そこで、遊休農地の害虫や雑草を省力的に防除することはもちろんですが、それだけでなく、さらに土着天敵の供給源とする等、プラスの働きをもたせて、営農をサポートさせることができれば効果的です。
プロジェクトでは、静岡県で遊休農地の景観形成に用いられている景観植物に着目して、天敵を増殖したり、あるいは植物資材を雑草抑制に用いるなど、景観植物を効果的に活用した遊休農地の活用技術の開発に取り組みます。
地域の農地からは、新鮮な農産物が供給される他にも、豊かな自然や美しい景観など農業活動によってさまざまな価値が生み出されます。これらの価値を有機的に結びつけた地域づくりや、環境ブランド農産物、ルーラルツーリズムなどの農ビジネスを構築します。
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静岡県農林技術研究所
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