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更新日:2019年5月31日

静岡県農林技術研究所

No.57/ 2019年6月/ 研究所ニュース

視点

注目を浴びるスマート農業 所長 新田明彦

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AOI-PARC全景と7月に供用を開始する実証施設

 本県は、多彩で高品質な農産物が生産されており、市場でも高い評価を得ています。今後、生産力を強化し生産拡大を進めていくためには、生産性や収益性の向上を図るとともに、近年、深刻化している労働力不足への対応などが必要です。
 こうした中で、ICTやAI、ドローンなど最先端技術やデータを活用し、省力で高品質生産を目指す「スマート農業」が大きな注目を浴びています。
 本県の生産現場においても、すでに水田の水管理をスマートフォンで遠隔操作できる自動管理システムや、ドローンで水稲や野菜病害虫を航空防除する技術、酪農では自動搾乳ロボットなどの導入が始まっています。
 さらに、施設園芸では、若手農業者がハウス内の温度や湿度、二酸化炭素濃度などのデータを計測・分析し、イチゴやガーベラ等の収量、品質の向上につなげたり、キュウリの出荷作業の省力化を図るため、AI技術を取り入れ、大きさを自動で選別する機器の開発に自ら取り組むなど、先端技術の進展と活用により、本県農業も大きく変わろうとしています。
 研究所では、最先端技術開発の拠点であるAOI-PARC(沼津市)に研究員が駐在し、企業等と連携して高度環境制御による野菜の最適な栽培方法の研究開発を進めています。また、露地野菜畑やハウス内を無人で走行し、農産物の運搬や防除を行うロボットの開発、ドローンを活用したみかん樹体の栄養診断、茶園の病害虫診断の技術開発などに取り組んでいます。
 テレビドラマの「下町ロケット」では、北海道の大規模な農場を自動走行する無人運転トラクターが話題になりましたが、本県では、茶やみかん、施設園芸などの生産現場に適応した技術の導入が期待されています。
 今後とも農業経営体や農業者の経営発展、生産現場の課題解決に向けて、国などの関係機関や企業、農業関係者の皆様方と連携しながら、スマート農業をはじめ新たな農業技術の開発や実証に取り組んでまいります。

研究情報

ワサビの育苗産業の育成で水ワサビ産出額の増加を目指す

画像:

 本県特産品のワサビは、和食ブームに加え、2018年3月の世界農業遺産認定により需要拡大が見込まれていますが、根茎生産量はピーク時から半減しています。この理由のひとつとして、年間200万本もの定植苗の供給不足があり、これは約10haのわさび田に相当します。このため伊豆農業研究センターでは、種子から大量生産可能で増殖率が高い実生苗の大量生産供給技術の開発を進めています。
 伊豆農業研究センターでは、これまで乾燥調整による種子の長期保存技術や、ジベレリン処理と低温処理による種子発芽率の向上技術を開発しました。これらを踏まえ、2019年度から新成長戦略研究「世界農業遺産『静岡水わさびの伝統栽培』を発展させる種苗産業と新栽培体系の確立」に取り組みます。本研究では大量採種技術、長期種子保存・種子発芽促進技術、苗周年生産技術を開発するとともに、栽培環境の悪いわさび田でも生育が旺盛になるF1品種を育成します。技術の開発後は鉢物生産者を中心とした苗生産者に移転するとともに、併せて新規苗生産者の参入も促し、県東部地域にワサビの大量育苗基地を構築します。伊豆農業研究センターでは当研究を通してワサビの生産安定化、生産面積の増加を図り、ワサビ生産量と産出額の増加を目指します。
(伊豆農業研究センター わさび生産技術科 上席研究員 久松 奨)

無人ヘリコプターを自動で制御して農薬散布する技術を開発しました

画像:無人ヘリコプター

無人ヘリコプター

 全国の松くい虫被害量は40万m3(平成29年度林野庁)で、松くい虫は我が国最大の森林病害虫です。松くい虫被害対策は、薬剤等による予防対策と、被害木の伐倒くん蒸等の駆除対策により総合的に実施されています。このうち、薬剤等による予防対策は、有人ヘリコプターによる空中散布が主に行われていますが、空中散布用の有人ヘリコプターが急減していることから、代替手段の確保が求められています。そこで、無人ヘリコプターを自動で制御して散布する技術をヤマハ発動機・静岡スカイテックと共同で開発しました。散布のための自動制御では、まず松林の範囲や松の高さを把握し、松から一定の高度を保って飛行させる必要があります。そのために、ドローンによるレーザー計測技術で松林の立体地図を作成します。この立体地図上に、専用のアプリを使って飛行経路を設計したうえで、飛行経路をプログラムして自動制御により散布させます。平成30年には袋井市の松林で農薬効果や農薬飛散(ドリフト)を検証し、有人ヘリコプターなどと比較して高い性能があることを確かめました。
 これまで松林への無人ヘリコプターでの散布は、高度な操縦技術が必要なため、全国で数十人しか行えず技術者不足でしたが、開発した技術によってその解消が期待できます。また、松林を上から見下ろすために使用していた高所作業車も必要なくなります。これらの結果として、従来技術よりも30%のコスト削減が可能となります。今後は県内の松林への技術普及を図るとともに、果樹や畑作物においてもこの技術が応用されることが期待されます。 
(森林・林業研究センター 森林資源利用科 主任研究員 星川健史)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466