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更新日:2019年8月1日

静岡県農林技術研究所

No.58/ 2019年8月/ 研究所ニュース

視点

新品種「S1200」への期待 果樹研究センター長 五十棲剛

画像:

S1200の育種過程

 温州みかんは、地球温暖化の影響により、果実の着色遅れや果皮と実の間に空間ができる浮き皮の発生、貯蔵性の低下などが問題になっています。当センターではこれらの問題を解決すべく新品種「S1200」を選抜し、生産現場からは本品種の普及が大いに期待されています。
 本県の最も主力品種は「青島温州」ですが、糖が高く食味が濃厚で貯蔵性が高い特性があります。この品種は、静岡市の青島平十氏が発見した品種で、昭和40年に奨励品種となりその後栽培が増え、現在では本県の温州みかんの栽培面積の7割近くを占めています。
普及当初の「青島温州」の収穫・出荷時期は遅く、昭和50年産の出荷は、1月が19%、2月が63%、3月が18%で12月の出荷はありませんでした。しかし、地球温暖化が顕在化してきた平成30年産は、12月が20%、1月が50.6%、2月が27%、3月が2%となり、出荷が前進したことで12月出荷がみられた一方で、3月の出荷量が不足したことから、市場からは出荷量の確保を要望されるようになりました。しかし、前述のとおり3月の出荷は、貯蔵中の果実の腐敗など貯蔵性の低下が問題となっています。
 新品種「S1200」は、収穫時期が12月後半であることから、通常のみかん貯蔵庫で4月まで貯蔵が可能なことが、これまでの試験から明らかになっています。本品種は本年度中に品種登録出願を行う予定ですが、引き続き県内の各産地に適した栽培方法の検討や苗木の供給について取り組んでまいります。
 「S1200」の育成経過は 2001年に重イオンビームを照射後に選抜を開始し、本年度までに実に16年強の歳月を費やしています。柑橘など永年性作物の品種育成は膨大な時間が必要なことに改めて驚くとともに、育成に関わった多くの研究員の地道な取組みが、まさに実を結んだわけで、感謝の念を感じているところです。

研究情報

タマネギ育種に関する技術開発について

画像:タマネギの頭球

タマネギの頭球

 全国的に新玉ねぎの収穫が始まるのは3月中旬頃ですが、浜松の新玉ねぎは日本一早い1月の初頭から収穫・出荷が始まります。これは、農家の手によって長年育成されてきた独自の極早生系統に依るところが大きいものの、この系統は大きさや形状の揃いが良くないという大きな問題を抱えています。当研究所では、揃いの良い新たな品種開発に向け、極早生タマネギの育種に取り組んでいます。
 極早生タマネギの育種で大きな問題となるのが、夏季の腐敗です。交配のため花を咲かせるには、食べられる状態まで育ったタマネギを秋まで保存し、再び地面に植える必要があります。浜松のタマネギは生育が早いこともあり、最長10ヵ月もの間保管しなければなりません。私たちは、タマネギの優良な個体を腐敗させずに保存する方法の一つとして、「頭球」に着目しています。花球(ネギ坊主)と呼ばれる、球形に集まった小さな花を人為的に切除することで、栄養繁殖体(クローン)である「頭球」を作らせることが出来ます。これまで、頭球形成に適した小花の切除時期や、形成能力の遺伝性などを明らかにしてきました。極早生タマネギの育種には、腐敗を始め多くの課題があり、一般的な育種方法では一筋縄には行きません。頭球の発生条件の解明や、新たな育種技術の開発により、一つ一つの課題を解決しつつ新品種の育成を目指しています。
(農林技術研究所 水田農業生産技術科 研究員 藤川哲平)

商品化の進む「香り緑茶」

画像:香り揺青機(上)と「香り緑茶」商品

香り揺青機(上)と「香り緑茶」商品

 静岡の緑茶といえば、これまでは新鮮な若葉の香りとほどよい渋味の普通煎茶、緑色が濃くまろやかな味の深蒸し煎茶が一般的でした。このたび当センターで、新たな需要の喚起を目指し、香りに特徴のある緑茶「香り緑茶」を開発しました。「香り緑茶」は、ほんのりと甘い花や果物のような香りを、添加物なしで発揚させた茶です。
 通常、煎茶は摘んだ茶葉を新鮮な状態で製造しますが、「香り緑茶」は茶葉をあえて少し萎れさせて製造します。茶葉を25℃に加温し、当センターで開発した「香り揺青機」で撹拌し、その後15℃程度で12時間静置します。この一連の処理の間に、茶葉の中で酵素反応が起こり、甘い香りが生成・蓄積されます。静置終了後は煎茶と同様の方法で製茶します。
 嗜好調査(ホームユーステスト、n=108)の結果、約9割の方が味や香りが好きだと回答し、また飲みたいという意見も多数頂きました。また最近では、「香り揺青機」を用いて試作を行う生産者も多く、3件の商品化が行われました。平成30年度、牧之原市の製茶工場が500K型の「香り揺青機」を導入し、現地実証試験に取り組んでいます(戦略的プロジェクト研究推進事業(H31-R3))。この実証試験により、大量生産技術を確立することで、多くの方々に「香り緑茶」を楽しんでいただけるものと期待しています。         
(茶業研究センター 製茶加工技術科 研究員 山本幸佳)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466