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更新日:2019年12月1日

静岡県農林技術研究所

No.60/ 2019年12月/ 研究所ニュース

視点

新たな茶業研究センターの目指す姿 研究統括官 鈴木康孝

画像:

リニューアルする茶業研究センター

 近年、茶を取り巻く情勢は大きく変化しています。家庭での茶の支出金額は、平成19年を境にドリンク茶などの茶飲料が急須で淹れる茶を上回り、平成30年には茶飲料が67%を占るに至っています。
 また、茶の輸出が急速に拡大し、平成30年までの10年間で、輸出量は3.0倍に、輸出金額に至っては4.6倍に増加しています。一方、科学技術の進展がめざましく、AI・ICTやロボット・ドローン・センシング技術など、生産性を飛躍的に向上させる革新技術が次々と生み出されています。現在の茶業研究センター本館は、昭和42年に建設され50年以上が経過し老朽化が見られることに加え、現在大きく変化する茶業情勢に対応し、本県茶業の振興を力強くリードする新たな機能を強化したセンターとして、リニューアルに向けた取組が、本年度から本格的に動き出しました。
 新たなセンターは、「世界市場を見据えた、茶の先端研究開発とオープンイノベーションの拠点」を目指し、以下の5つの視点で機能強化を図る取組を進めてまいります。
① 市場ニーズに応える優良品種の開発等
 本県茶業を支えてきた品種開発、栽培技術、製茶加工技術等の研究機能を一層強化します。
② AI・ICTなど先端技術を活用した研究開発の推進
 省力化・省人化による生産性向上や、品質管理を実現する栽培・製造技術の開発を進めます。
③ オープンイノベーションによる研究開発の推進
 国内外の大学、研究機関、企業、生産者等が連携するプラットフォームを構築します。
④ 国内外の市場を見据えた出口戦略に基づく研究開発
 「出口戦略」を明確にし、需要に対応した商品や、新たな需要を創出する新製品開発に取り組みます。
⑤ 茶業を支える人材育成と研究成果の発信
 グローバルな人材育成と、茶生産に関わる技術や産業界との積極的な情報交流を図ります。
 令和の時代にリニューアルし生まれ変わる、新生茶業研究センターに是非御期待ください。

研究情報

青色LED光照射によるウンシュウミカンの貯蔵性向上

画像:LEDカートラック

LEDカートラック

 静岡県は、ウンシュウミカンの生産が盛んな地域であり、貯蔵ミカンの主要品種である「青島温州」や「寿太郎温州」が栽培されています。しかし近年、温暖化の影響によって、果実の浮皮助長や収穫、出荷期の前進等が起こり、長期貯蔵が困難な環境になってきています。現在、12~3月までの貯蔵中の果実腐敗などによる損失量は、生産量のおよそ10%と推定されています。こうした中、当センターでは、貯蔵中の腐敗を少なくするため、青色LED(発光ダイオード、ピーク波長465nm)光の活用により、収穫後のミカン果実の青かび・緑かび病軽減効果や品質への影響を検証するとともに、県内カンキツ産地の現地貯蔵庫における果実腐敗の抑制について実証試験を進めてきました。その中で、庫内壁面にLEDを付けた貯蔵モデルやLEDカートラックの開発(実用新案第3223547号)に至り、今後は開発した貯蔵方法の本格的な現地導入を進める予定です。ミカンの貯蔵性向上には、収穫後の技術だけでなく、貯蔵性の高い果実を生産することや貯蔵に適した施設の活用も不可欠です。今回紹介したLED技術を冷風貯蔵(庫内に冷風を循環させる方法)や栽培中における浮皮軽減剤散布と組み合わせることで、貯蔵性が向上し鮮度保持効果が得られることが明らかになりつつあり、当センターでは今後もより良い貯蔵方法についてさらに研究を進めてまいります。
(果樹研究センター 果樹生産技術科 上席研究員 山家一哲)

ミカン果実の廃棄場所における箱わなによるイノシシ成獣の捕獲について

画像:廃棄ミカンを食べるイノシシ

廃棄ミカンを食べるイノシシ

 箱わなでイノシシを捕獲する場合は、イノシシが一度エサの味を覚えるとその味に執着する性質を利用し、エサで箱わなへ誘導しますが、これまでの研究で幼獣に比べて成獣は警戒心が強く、捕獲しにくいことが明らかになっています。イノシシ被害の多い作目の一つであるミカンの産地では、冬から春にかけて商品価値のない果実が山に廃棄されるケースが見られます。
 当センターで果実の廃棄場所に出没するイノシシの頭数を調査したところ、果実を廃棄する頻度が高い場所でイノシシの出没頭数が増加したことから、廃棄果実を食べたイノシシはミカンに対して執着していると推察されます。上記の性質を利用して、果実の廃棄場所で箱わなのエサとして果実と米ぬかを用いて捕獲を行った結果、4月中旬に成獣4頭を捕獲することができ、イノシシ成獣を捕獲するためにミカン果実の廃棄場所に箱わなを設置することは有効であることが分かりました。注意点として、ミカンの廃棄果実はイノシシ等の鳥獣が寄り付く原因になるため、本来は山に廃棄しないことが望ましいですが、労力等の問題で果実を廃棄せざるを得ない場合に、解決策のひとつとして取り組んでいただければと思います。イノシシ被害を軽減するために、研修会等を通じて捕獲方法の普及に努めていく予定です。
(森林・林業研究センター 森林育成科 上席研究員 水井陽介)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466