• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 組織別情報 > 産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

ここから本文です。

更新日:2020年2月3日

静岡県農林技術研究所

No.61/ 2020年2月/ 研究所ニュース

視点

地域の課題を解決する研究開発(伊豆農業研究センターの取り組み)   センター長 佐々木俊之

画像:

ワサビ栽培の様子と品種開発の進むキンギョソウ

 伊豆農業研究センターのある伊豆半島は、風光明媚な自然の景観や、海や山の幸といった地域資源に恵まれ、年間宿泊者数が1,144万人にも及ぶ県内屈指の観光地です。
 生産される農産物は、冬季の温暖な気候を利用して、明治時代以降、中晩柑、花き、特産野菜など、多くの品目が特産化しています。豊富な水源を活かしたワサビ栽培は江戸時代から続けられ、平成30年には「静岡水わさびの伝統栽培」として世界農業遺産に認定されました。
 当センターでは地域の観光を含めた産業の活性化に向け、地域特産のニューサマーオレンジ、カーネーション、マーガレット、カワヅザクラ、ワサビ等の研究に取り組んでいます。
 果樹では伊豆の初夏の香りと味を代表するニューサマーオレンジのブランド力を高め、消費者に長い期間楽しんでいただけるよう、貯蔵技術の開発や早生品種の導入適応性試験を行っています。また多様な販売形態に利用できる果樹品種の選抜に取り組んでいます。
 花きでは特産であるマーガレットやカーネーション、キンギョソウについて、市場性が高く、夏季の暑さに強い品種の開発や選抜、生育促進につなげるLEDの活用技術等の開発を行っています。カワヅザクラは年間110万人の観光客を引き寄せる魅力ある観光資源ですが、当センターでは、今から40年ほど前から増殖、開花予測システムや、開花調節技術の開発を行っています。さらに現在は町やJA、観光協会等と一体となり、カワヅザクラの魅力を多くの人に伝えることができるよう、切り枝として利用販売する技術開発に取り組んでいます。
 ワサビは和食ブームにより需要拡大が見込まれているものの、年間必要量の12%に相当する195万本の苗が不足しており、産地で最も重要な課題となっています。このため、種子の大量採種技術の開発や発芽、育苗条件の解明等、苗を安定供給できる技術開発を進めています。
 当センターでは、今後も研究成果がスムーズに現場に普及できるよう、研修会や品種検討会、産地の部会活動等を通じ現地に足を運び、産地と課題を共有し、研究開発を進めてまいります。

研究情報

水田畦畔における難防除雑草ネズミムギの防除技術

画像:無対策(上)と新技術による防除効果(下)

無対策(上)と新技術による防除効果(下)

 本県の小麦畑では外来イネ科雑草ネズミムギ(別名:イタリアンライグラス)が蔓延し、小麦の低収要因となっています。ネズミムギは周辺にある水田畦畔から畑に侵入するため、水田畦畔での防除が欠かせませんが、近年、ラウンドアップやバスタといった除草剤が効かないネズミムギが多発し、防除が極めて難しくなっています。また、水稲の害虫であるカメムシなどの住処にもなる上に、水田景観の悪化にもつながることから早急な対策が必要です。
 当研究所では異なる作用点を持つ複数の農薬を用いた新たなネズミムギ防除技術を開発しました。農閑期である晩秋から厳冬期の間にカソロン粒剤4.5を水田畦畔に散布し、その後早春の3月中下旬頃にイネ科雑草対象茎葉処理剤(ワンサイドP乳剤またはアフターエイド水和剤)と非選択性茎葉処理剤(ラウンドアップまたはザクサ液剤)を混ぜて散布する方法です。これにより、従来では防除が困難であったネズミムギを効率よく枯らすことができるだけではなく、除草剤の効かないネズミムギの出現を抑制することにもつながります。県内はもとよりネズミムギで困っている全国からも注目されている技術で、今後広く普及することが期待されます。
(農林技術研究所 水田農業生産技術科 上席研究員 外山祐介)

「静岡抹茶」の生産拡大に向けた研究

画像:直接被覆による濃緑な生葉の生産

直接被覆による濃緑な生葉の生産

 煎茶の価格が低迷する一方、抹茶の原料であるてん茶は、食品加工用として国内外で需要が拡大しています。従来の、てん茶専用品種を棚被覆で栽培する方法では、多額な費用を要し早急な普及は困難です。そこで、県内に広く普及している煎茶用品種を用い、簡易で安価な直接被覆(茶樹に直接遮光ネットを被せる)による高品質なてん茶生産技術を開発しました。
 秋と春の二段階に分けて行う整枝と、「つゆひかり」の直接被覆を併用した結果、生産されたてん茶は量・質ともに優れていました。被覆開始期は遅いほど収量が増加しましたが、一方で旨味成分の指標である全窒素含有率が低下しました。このように被覆開始期の判定は非常にシビアで、判定には個人差がみられることから、AI(人工知能)の利用について検討を行い、開葉数を把握する技術を確立しました。現在、IT企業と連携し、サービスの実用化を目指しています。
 また、てん茶の品質を決める「緑色」については、過熱蒸気による蒸熱や加工方法により向上し、さらに、てん茶特有の覆い香の成分であるDMSは、生葉をコンテナ貯蔵することで増加しました。今後、これらの技術を活用し、「静岡抹茶」生産技術の早急な普及と生産拡大が期待されています。
                      (茶業研究センター 茶生産技術科 科長 中野敬之)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466