• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 組織別情報 > 経済産業部 > 農林技術研究所 > 研究所ニュース > 詳細

ここから本文です。

更新日:2022年2月1日

静岡県農林技術研究所

No.73/ 2022年2月/ 研究所ニュース

視点

試験研究成果等の動画配信について 森林・林業研究センター長 伊藤 晃

画像:

森林・林業研究センターYouTubeチャンネル

 当センターでは、森林・林業関係者の研究要望に基づき、試験研究を進め、その成果を一昨年までは県内3カ所で研究成果発表会を開催して、森林・林業関係者等に直接研究成果をお伝えするとともに、意見交換を通じて新たな課題や提案を頂いてきました。
 しかし、昨年度から新型コロナウィルスの影響で、研究成果発表会等が開催できなかったことから、新たにインターネットの動画サイト「YouTube」上に森林・林業研究センターのチャンネルを開設して成果発表等の配信を行っています。その結果、昨年度は例年の参加者数よりはるかに多くの視聴回数(4ヶ月で900回超え)を確認できました。このため、現在は今年度の研究成果だけではなく、過去の研究成果や当センターでのトピックス等の旬な情報を1本3~5分程度にまとめて、随時更新していますので、是非ご覧ください。(12月末時点で10万回再生を達成)
 動画配信のメリットは、いつでも誰でも何回でも視聴ができますので、研究成果を広く普及できる反面、関係者との意見交換などができないデメリットもあります。このため、研究の質問などのご意見については、随時メールで受け付けすぐに回答するようにしています。
 なお、これまでの「研究成果情報」や「あたらしい林業技術」「わかりやすい森林・林業研究シリーズ」等の印刷物は、引き続き当センターのホームページで提供しています。
当センターでは、今後も皆様からの要望課題を迅速に解決するため、効率よく研究開発を進め、研究成果をタイムリーにわかりやすく提供してまいります。
今後とも研究活動への御協力・御支援をお願いいたします。
 

研究情報

ガーベラでは初夏に過度の遮光をしないことで増収する

画像:上:遮光なし、下:過度の遮光

上:遮光なし、下:過度の遮光

 ガーベラは南アフリカ原産で、年間安定した出荷がある上、多種多様な花形、花色から人気のある切り花です。静岡県は温暖な気候を利用したガーベラの生産が盛んで、全国の出荷本数の約4割を生産しています。
 一般に多くの農産物では、日射量を確保することは生産上重要であり、増収につながります。しかし、ガーベラは光が多すぎると、茎が曲がり、出荷ができなくなる場合があることから、春~秋に日射を遮る「遮光」が行われます。ただし、過度な遮光はガーベラの生育に悪影響を与える可能性があります。そこで、5~7月の過度な遮光がガーベラの生育に及ぼす影響を検討しました。その結果、過度の遮光により、花芽の枯死が多発し、遮光をしない場合と比べ、出荷可能な切り花の本数が大幅に減少しました。このことから、ガーベラ栽培では茎の曲がりが発生しない程度の適度な遮光が望ましいと考えられます。
 当研究所では、茎の曲がりがない高品質のガーベラがより多く出荷できるよう、できるだけ日射量を取り入れられる遮光技術の開発に取り組みます。
(農林技術研究所 花き生産技術科 主任研究員 梅田 さつき)

ワサビの種子繁殖性新品種‘静系19号’

画像:‘静系19号’の外観

‘静系19号’の外観

 ワサビは静岡県を代表する農産品ですが、年間約200万本もの定植苗の不足により、生産量はピーク時から半減しています。また、夏季に水量が少なく水温が高いわさび田(下等田)が約3割あり、生育は不良となり、既存品種での生産性向上が困難となっています。そこで当研究所では、大量増殖が可能で下等田でも生産性の高い新品種の育成に取り組んでいます。
 育成した‘静系19号’は、当研究所育成系統「静系 13 号」の後代を種子親とし、当研究所育成品種‘あまぎみどり’の後代を花粉親として交配した、ワサビでは初の一代雑種(F1)品種であり、種子での大量増殖が可能です。
‘静系19号’は、当研究所育成品種‘伊づま’よりも下等田での生育が旺盛であり、静岡県内の広い地域での栽培が可能です。主根茎の肥大性は‘伊づま’と同等に優れており、地上部の生育が旺盛なため、加工原料としての利用も期待できます。「辛み」は‘伊づま’と同等で、「甘み」は‘真妻’よりも強く、生育と品質のバランスを兼ね備えた品種であり、現在、品種登録を申請する準備を行っています。今後も引き続き、県内の様々な環境に適応するF1品種を育成していきます。
(伊豆農業研究センター わさび生産技術科長 久松 奨)


お問い合わせ先

静岡県農林技術研究所
〒438-0803 静岡県磐田市富丘678-1
電話番号:0538-35-7211 ファックス番号:0538-37-8466